ここにいては危険だ。私の中の全本能がそう告げている。
後ずさるように足を後ろに出すと、運悪く小枝を踏んでパキンと音がした。
しまった!と思ったけれど、後の祭り。オオカミのような姿形をした魔獣は、体をこちらに向ける。その瞬間、大きな魔獣の体に隠れて今まで見えなかったものが見えて私は息を呑む。
「イラリオさん……?」
それは、間違いなくイラリオさんに見えた。黒い騎士服は土まみれで、上着の肩の部分は大きく引き裂かれて破れている。そこから見える白いシャツは、真っ赤な血の色に染まっていた。血塗れになっているのと反対側の腕に剣を握っており、その剣も血に濡れている。そして、イラリオさんはゼイゼイと肩で息をしており、立っているのも辛そうだ。
(なんでイラリオさんが魔獣に襲われているの?)
そう思ったけれど、すぐに理由なんてないのだと気付く。イラリオさんもザグリーンも言っていた。魔獣は理由もなく人を襲うのだと。
私に気付いたイラリオさんの目が見開く。
「エリー、なんでここに……。逃げろっ!」
後ずさるように足を後ろに出すと、運悪く小枝を踏んでパキンと音がした。
しまった!と思ったけれど、後の祭り。オオカミのような姿形をした魔獣は、体をこちらに向ける。その瞬間、大きな魔獣の体に隠れて今まで見えなかったものが見えて私は息を呑む。
「イラリオさん……?」
それは、間違いなくイラリオさんに見えた。黒い騎士服は土まみれで、上着の肩の部分は大きく引き裂かれて破れている。そこから見える白いシャツは、真っ赤な血の色に染まっていた。血塗れになっているのと反対側の腕に剣を握っており、その剣も血に濡れている。そして、イラリオさんはゼイゼイと肩で息をしており、立っているのも辛そうだ。
(なんでイラリオさんが魔獣に襲われているの?)
そう思ったけれど、すぐに理由なんてないのだと気付く。イラリオさんもザグリーンも言っていた。魔獣は理由もなく人を襲うのだと。
私に気付いたイラリオさんの目が見開く。
「エリー、なんでここに……。逃げろっ!」



