絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 それは、イラリオさん達の様子を見に行ったはずのイリスだった。いつものんびりしているイリスがこんなに焦った様子なのは珍しい。

「どうしたの? もしかして、イラリオさんに何があったの?」

 状況が全く見えないけれど、何かよくないことが起きていることは伝わってきた。私の質問に答える間もなく、腕の中にいるイリスが鈍い光を纏う。次の瞬間、ふわっと地面が浮くような感覚がして私は目を閉じた。



 浮遊感は一瞬で終わる。
 ゆっくりと目を開くと、辺りは鬱蒼と茂る木々だった。

(ここ、どこだろう? もしかして、アメイリの森?)

 アルマ薬店にいたはずなのに、どちらを見回してもその影すら見つけることができない。イリスが転移して私をここに連れてきたのだろう。

「イリス、どこ?」

 私をここに連れてきたはずのイリスがいない。胸に抱いていたはずなのに、どこに行ってしまったのだろう?

 森の中にひとりぼっち。私は急激な不安を感じた。

「イリス! イリス、どこ!」