「聖獣を見つけたなら、後は魔獣を見つければ私の役目はお終いね」
ルイーナは急に元気になり、スタスタと歩き始める。歩けるなら最初から歩けよ、という言葉はすんでのところで呑み込んだ。
「……ん? リーン、どうした?」
後ろを歩いていたザグリーンが急に立ち止まる。どうしたのだろうと立ち止まった俺に釣られるように、ヴィラム殿下とルイーナも立ち止まる。
ザグリーンは何も言わずに一点をにらみ据えている。感情がピリピリしていることが、伝わってきた。
「こちらに何かが近づいて来る」
「何か?」
俺がザグリーンの視線の先を追い、直後にそこに姿を見せたものにヒュッと息を呑んだ。
(魔獣だ。しかも、かなり大きい!)
それは、禍々しい程に瘴気を纏った大型の魔獣だった。姿形はフェンリルに似ていて元はフェンリルだったのかもしれない。体長はザグリーンと同じぐらい、数メートルはある。
魔獣はこちらには気付いている様子がなく、遥か向こうをゆっくりと歩いていた。
カスペル陛下からは生け捕りにしろという命令だったが、あれはあまりにも大きすぎる。
ルイーナは急に元気になり、スタスタと歩き始める。歩けるなら最初から歩けよ、という言葉はすんでのところで呑み込んだ。
「……ん? リーン、どうした?」
後ろを歩いていたザグリーンが急に立ち止まる。どうしたのだろうと立ち止まった俺に釣られるように、ヴィラム殿下とルイーナも立ち止まる。
ザグリーンは何も言わずに一点をにらみ据えている。感情がピリピリしていることが、伝わってきた。
「こちらに何かが近づいて来る」
「何か?」
俺がザグリーンの視線の先を追い、直後にそこに姿を見せたものにヒュッと息を呑んだ。
(魔獣だ。しかも、かなり大きい!)
それは、禍々しい程に瘴気を纏った大型の魔獣だった。姿形はフェンリルに似ていて元はフェンリルだったのかもしれない。体長はザグリーンと同じぐらい、数メートルはある。
魔獣はこちらには気付いている様子がなく、遥か向こうをゆっくりと歩いていた。
カスペル陛下からは生け捕りにしろという命令だったが、あれはあまりにも大きすぎる。



