「だから、早急に調査する必要がある。イラリオにはアメイリの森について詳しく調査するようにと、早急に手紙を書こう」
「わかりました。その手紙は私が届けに行っても?」

 ヴィラムの発言に、カスペルは片眉を上げる。

「実際に状況を確認したいのです」

 我が息子ながら本当に愚直な男だと、内心でため息が出る。しかし、ヴィラムを行かせても特段不都合はないかと思い直した。

「わかった。よいだろう。ただし、聖女は一緒に連れて行け」
「…………。承知致しました」

 悩むような間が少しあったものの、ヴィラムは了承の返事をする。

(よし。これで、上手くいくだろう)

 カスペルはヴィラムの後ろ姿を見送り、口の端を上げた。