絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 この季節は天候が変わりやすい。さっきまで晴れていたはずなのに。
 遙か向こうに真っ黒な雨雲と白いもやが見えるので、じきに本降りになるだろう。

 窓際に立ちぼんやりと外を眺める。水玉模様を作っていた地面はあっという間に一色に染まり、代わりに水たまりの水面が忙しなく揺れている。

(間一髪だったな。間に合ってよかった)

 俺はホッと息を吐く。

 団員達の努力の結果、エリーが発見した土砂崩れの処理が完全に終了したのは二日ほど前のこと。
 もしもあの土砂崩れに気付かずに今日の雨を迎えていたら、あの自然のダムが決壊して大惨事になっていたかもしれない。

 俺はあの現場の処理が終了後、部下達に命じて川の周囲の見回りも行った。崩れそうな場所は魔法による地盤強化をしたので、少なくともしばらくは同じような事故はおこらないはずだ。

「レオ、何見ているの?」

 雨にもかかわらず俺が窓を開けて外と眺めていることに気付いたアリエッタが、窓際に寄ってくる。同じように外を眺めるが、特に何も珍しいものはないので不思議そうに俺を見上げた。

「エリーがあの土砂崩れを教えてくれて助かったよ。あのままにしていたら、今日の雨で決壊していたかもしれない。ありがとうな」
「え? うん」