「エリー、そこに案内できるか?」
「案内? えっと……」
アリエッタが口ごもる。すると、今度はザグリーンが前に出てきた。
「我が案内できる。付いてこい。かなり大規模な土砂崩れだったから、土の精霊の加護を持つ騎士を何人か連れて行ったほうがいい」
「わかった」
聖騎士団の中には、精霊の加護を受け魔法を使える騎士がいる。精霊には火・水・風・土・光の五つの属性があり、そのどれの加護を受けているかによって使える魔法は違う。今回のような土砂崩れでは土の精霊の加護をもつ団員がいると、対処がしやすい。後は、水だ。
俺はすぐにロベルトを呼んで土と水の精霊の加護を持つ団員を集める。準備を整えると、ザグリーンに案内されて問題の場所へと向かった。
「これは……、思った以上にひどいな」
ザグリーンに連れられて辿り着いたのは、セローナの住宅地からは川を十キロほど遡った場所だった。
幅三十メートル程ある川を土砂が完全に塞いでいる。土砂には大きな木の幹や岩も混じっていたので、すぐ横の山肌が崩れ落ちたのだと予想がついた。
更に、上流側には流れてきた水がダムのように溜まっており、一歩間違えば大量の土石流が市街地に流れ込む危険もある。



