絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 リーンは私に、首に掴まるようにと促す。
 今度は風を切る感じはなく、ふわりとした浮遊感を感じた。

「着いたぞ」
「え?」

 あまりに早い到着に、私は周囲をきょろきょろと見渡す。

(これって、転移!? すごい!)

 今さっきまで崖の上にいたはずなのに、私は見覚えのある場所にいた。魔法騎士団の事務所に併設された、訓練場の前だ。
 ちょうど団員の皆さんが訓練中だったようで、訓練場には何人もの騎士がいた。

「あれ? エリー、随分早かったな。楽しかったか?」

 私に気付いたイラリオさんが、笑顔でこちらに歩み寄ってくる。

「イラリオさん! 大変なの!」
「大変って何が?」

 イラリオさんは突然のことに、呆気にとられたような顔をする。

「川がせき止められていて、このままだと大変なことになっちゃう」
「何? 川が?」