(そうだわ!)

 そのとき閃いた。
 ブラッシングで馬の毛並みが艶々になるのなら、リーンやイリスの毛並みだって艶々になるのでは?

「私、今日の夜にリーンとイリスにやってみようかな」
「それはいい考えかもしれませんね」

 ロベルトさんは笑顔で頷く。
 私はいい考えが思いついたと相好を崩したのだった。

    ◇ ◇ ◇

「──というわけで、今日はブラッシングをします!」
[ブラッシングだと?]

 リビングで寝そべっていたザクリーンが頭だけを少し上げて怪訝な表情を浮かべる。壁の本棚の上で丸くなっていたイリスもこちらを窺うように首を伸ばした。