「美世さ~ん!」



菜々美ちゃんは楽しそうに美世ちゃんの元へ走っていく。



「私も! 美世ねぇちゃんって呼んで良いですか?!」

「ぅえぇ!? それって……」

「んも~! み~なってば自分が言いやすいように私を踏み台にしたなぁ! ま,いっか。 ね,ハクねぇ?」



あの,その前に立ち位置とかちょっと近くない? 今にも抱きついてきそう。

私は良いんだけど,何か蓮の機嫌が……

蓮の方を見る。

怖い……! 何か,黒い……



「こら菜々美! 何外堀埋めていこうとしてんの!?」



ようやく私達の元に到着した真田くん。

凄く遠くから走ってきてたもんね……

ちょっとお疲れみたいだ。



「あっお兄……」

「あのなぁ菜々,お前がわざわざそんなことしなくても,俺はみ~先パイを離す気はさらさら無い」