「ふふっ。それにしても……」

「ひゃぁ……っ」



沙羅ちゃんは蓮の話を聞いている私に近寄って,お互いの指を絡めた。

そのまま流れるような動作で私の頬に触れる。

-ソッ

そんな音がしたかと思うくらい繊細な触れかただった。



「蓮に聞いてはいたけど,本当に綺麗ですね呉羽さん。髪もさらさら……ふふっ照れてるんですか? 顔が真っ赤ですよ?」



蓮と性格がにてるってこういうこと!?

凄く,蓮と関わりだした頃の蓮に似てて,クラクラする。

表情の作り方,セリフ,雰囲気……この年にしてこの完成度。

本当に,この2人のお母さんはどうなってるんだろう。

会ってみたいような,ちょっと遠慮したいような……



「沙羅? 呉羽は僕のだから誘惑しないで?」



蓮まで参戦して,後ろから私をぎゅっと抱き締める。

美世ちゃんは笑ってて助けてくれないし,いつの間にか来ている達也も呆れてるだけ。

前には沙羅ちゃん。

後ろには蓮。

おまけに沙羅ちゃんは私の足の間に片足を突っ込んでいるから,余計に近い。



「っふふ。どうかしましたか? 呉羽さん」