ほらっと急かしてくる美世ちゃんだけど,言いたいことって何?



「さっきのあれだよ,あれ」



え? あれって,でもあれだって美世ちゃんが言えって言ったんじゃ……



「何? 呉羽」



蓮にまで優しく促され,言うしかない状況に立たされる。

ええい!

私は思いっきり叫ぶ。



「人目も憚らず私の大事な人と喧嘩する人なんて大っ嫌い! 今すぐ止めてくれないなら2人のこともっ……キライになるからね!」



ぎゅっと目を瞑って言いきった私を待っていたのは清々しいほどの静寂だった。

やっぱりだめじゃん!

大体私に嫌われたからって何だって言うの?

恨みがましく美世ちゃんを見ると,彼女はグッとおや指を立てた後,2人の方を指差した。

そっちを向くと……



「う~ん。呉羽に嫌われるのは嫌だなぁ。仲良くしましょうね? センパイ」

「はっ言ってろ! 仲良くはしねぇが喧嘩もしねぇ……そんだけだ」

「ふふっ。僕の事年下だとバカにする割に,大人気ないですよ? セ,ン,パイ?」



何? 何か丸く収まった感じ?

こうして,クラス全体を巻き込んだ疲労感たっぷりのお昼は終了となった。