その子は1月前,私の通う高校の始業式の前日にやって来て,学食を除いた食事を,毎日毎食コンビニで買ったもので行っている。
   
おとなりさんではあるけれど,名前は知らない。   
    
私はそんな接点1つない彼が,コンビニ袋をぶら下げて家に入っていく度,凄くモヤモヤした気持ちになる。

こんな気持ちになるくらいなら……
   
そう思った私の行動は早かった。

  

「あの!」

  
  
私は,私の視線に気付きもせず,自分の家へ入ろうとするその子の腕を掴んだ。

 
「え……わぁっ」


その子は,同じ高校の制服とコンビニ袋に目がいって気付かなかったけど,あり得ないくらい格好いい男の子だった。