番外編その1
うけつぐ

いつも通り待ったり過ごす家の中。



「はい,プレゼント」



そう言って彼氏になった蓮が渡してきたものを見て驚いた。



「何で……」

「だってクリスマスデートの時,呉羽欲しいなって思ったでしょ?」



見逃すわけがない。

そう言う蓮に,泣きそうになった。

クリスマス仕様になったクマのぬいぐるみ。

確かにイルミネーションが輝く街の中。

ショーケースとのすれ違い様に私はそれを欲しいと思った。

だけど,私は恥ずかしくて言い出せなかったのだ。



「でも……」



悪いよ。




「んっ」



開いた口は塞がれる。



「お返しってことで」



蓮は妖しく笑った。

だから,すごく恥ずかしかったけど,私からもキスを返す。

子供みたいな,触れるだけの。

ありがとうって。

蓮の気持ちが嬉しかったから。