「言わないの?」

「僕はあげたい側だから。呉羽は言わないの?」

「いや,私だって………ふふっふ,あははっ可笑しい。用意するから2人で食べよう」

「うん。いいね」



蓮の返事を聞き,お菓子をしまっている引き出しを開ける。



「あ,あぁ~」

「どうしたの?」



蓮はいつの間にか近くまで来ていて,項垂れる私に声をかけた。



「ん~。残念だけど,お菓子一個も残ってないんだよね。買ってこようか? チョコミルクティーならあるけど」

「ううん。そこまでじゃない。それに呉羽が行くなら僕も行くよ? う~ん。チョコの味するならそれでもいいと思う。2人で飲もうよ」



蓮は柔らかく笑ったかと思うと,コップをしまっている引き出しをガララと開けた。