「そっれは……」

蓮は,返事の変わりに私の反応を見ながら言葉を紡ぎ,最後に少し困ることを言う。

だって,それは独占欲みたいなものじゃない。

紛れもない本物。



「違うよ,呉羽。僕が言いたかったのは……もっと,そうしてくれたら良いのにってこと」



感情が顔に出ていたのだろうか。

蓮は否定の言葉を吐く。

ただ,言われたことの意味がよく分からない。

何か,とても大切で,決定的なことを言われたのは分かるのだけど。

それは,美世ちゃんのことを理解できないときの感じに似ている。



「呉羽,呉羽も誕生日もうすぐだね。僕,呉羽にあげたいもの,2つ思い付いたんだ。一般的にかなり重たいけど,引かないでね? それから,その日の晩御飯は僕に作らせて? 家で,待ってるから」

「え!? 待って!! 悪いよそんなの。それに……え!? 蓮って料理できるの!?」

「じゃあね,呉羽。おやすみ」