年上なのに、翻弄されて

何度も考えて決めたのに,土壇場でまた悩む。

緩く巻いた髪でのハーフアップ。

可愛めの白いブラウスに,ブラックチョコのような色味のフレアスカート。

灰色の靴下を履き,



「変じゃないよね?」



と,鏡の前でくるりと回ると,なかなか悪くないような気もしてくる。

一通り準備が終わると,私は今朝早起きして作ったカップケーキを冷蔵庫から取り出して,綺麗な袋に入っている蓮へのプレゼントを持って出る。

そして,直ぐ隣の家の前で,ドキドキとなる心臓を鎮め,インターフォンを押した。

すると,ピンポーンと軽やかな音がして,インターフォンを押したのが自分であるにも関わらず,驚いて飛び上がりそうになった。



『は~い。ちょっと待ってて~?』



家の中から蓮がやって来る音がトントンとして,私の緊張も際骨頂になる。

-ガチャッ