「っな,何に?」



動物園で嫉妬? 動物が世話をできる飼育員さんとかに?

え? 蓮って動物園の飼育員さんになりたいの?

それより私の耳元で喋らないでほしい。

ぞくぞくして,なんだかすごく恥ずかしさに似た気分になる。



「沙羅に。僕の方がずっと呉羽と一緒にいたのに,沙羅が今まで見た中で一番の笑顔を呉羽から引き出したから。僕だって少しは呉羽に好かれてると思ってたのに」



えっは? 私?

私は拗ねるような声を出す蓮から耳元を押さえて距離を置く。

これ以上そこで話されたら堪らない。



「蓮……ちがうから。沙羅ちゃんには,その,れっ蓮の事を教えて貰ったの。だからっ,私がいつもと違ったなら蓮の影響って言うか……」



そう。

つまり,つまり,



「つまり,何が言いたいかって言うと! 沙羅ちゃんも好きだけど蓮も好きってこと!」