「ふんふん。蓮に振り向いて貰おうと頑張ってはみても,どうも空振りしてしまうっつぅ話しっすね?」



真田くんは真面目に聞いてくれてる横で,美世ちゃんはいまいち信用できないような表情をしている。



「呉ちゃん。一応聞くけど,頑張るって何したの」



そ……れは……



「えと,座るときに近くに座ったり? たくさん話しかけたり……」

「やっぱぜんっぜんだめ!」



これでも結構頑張ったのに……あんまり近いとドキドキするの。

美世ちゃんの容赦ないダメ出しが胸に刺さる。



「そう思うよね? 恭くん」

「う~ん。そうっすね。呉羽先パイには悪ィんすけど,相手に伝わるかすら怪しい小学生以下レベルだと思います」



真田くんも,私の顔色をみながら申し訳なさそうな顔をする。



「でもこれ以上やったらハニートラップみたいになっちゃう……出来ないし。そうゆう2人の押すってどうゆうの?」