断ろうとする私に,沙羅ちゃんはよく分からない言い回しをする。



「美世ねぇちゃん。知らないうちに見極められるなんて怖いですね?」

「うん……」

「フンッどうせお前も似たような理由でついてきたんだろ?」

「あっバレました? 達也さんは意外に鋭いですね~」

「ふぇえ!?」



助け船を出してくれるつもりの無さそうな3人はそんな会話をしていて,真田くんは行けばいいじゃんみたいな顔で私達を眺めている。



「おいでよ呉羽。泊まっていっても良いよ?」

「なっ…泊まりはしない! でも……ご飯だけなら……」



蓮からの誘いにぐらついた私は,気付けばそんなことを口にしていた。



「ちぇえっ蓮に負けた……」



私がお母さんに報告だけしに電話しようと2人の元を離れる一方で……



「達也さん。私,同じ高校受験するんで待ってて下さいね?」

「待ったりするか。勝手にしろ」



達也は,計算高い一面を持つ菜々美ちゃんにロックオンされていた。