この日の楽しみといえば、ケーキとプレゼントだった。


夜ご飯後にみんなで食べる、サンタクロースとトナカイの砂糖菓子が乗ったケーキ。

朝にプレゼントが届く楽しみを胸に抱いて眠るベッド。


だけど、いつからか夢を見るようになって──それが好きな人と過ごすことだった。


苦節十年──正しくは、ここ数年だけど……。

それが、ようやく叶います!



「初めて……、クリスマスの部活を呪わせて、いただきました……」


ひと試合終えて、体育館に倒れ込む私。


そうです。

クリスマスイブだろうと関係ありません。部活です。


1日クリスマスデート……なんて、ま、そんな上手い話あるわけないよね。


「バーカ。カップルのために部活を休みにするわけないでしょうが!」


息絶え絶えに呟いた私に、冷徹な言葉が落とされた。

その言葉に込められた思いは、彼氏なしの子による単なる僻み。


前までは私だってそう思ったけどさ……。


「つーか、ちゃっかり勝ってんじゃないわよ」


「痛っ」


ペチッと叩かれた。


恨みを込めたのは、わら人形……なんかではなく、バスケに対して。

思いっきり暴れて、試合に勝たせてもらいました。