私、叶くんとやりたいこと、たくさんあるの。
「知ってる」
イタズラっ子みたいに意地悪く笑う君を、私はどうしようもなく愛おしく思う。
「今度は、ジジィになるまで生きてやるよ。
―――お前の隣で」
私の……隣。それは、この先の人生、ずっと隣にいていいってこと……?
涙で視界がぼやける。
「う、んっ……隣に、いるっ……。一緒に笑い合って、どこか遊びに行ったりっ……また、お花見行ったりしたいっ……」
「うん、お前がやりたいこと全部やろう」
懐かしいその瞳が、私を愛おしそうに見つめてくれるの。
好き……叶くんの隣にいたい。
前世では叶えられなかったその願いも、今世では……。
「大好きっ……」
伝えきれなかったこの想いも、遠慮なく伝えていく。
叶くんの唇にキスをして、思いっきり微笑んだ。
君に出会って、世界が変わった。
私には眩しすぎるくらい、綺麗になった。
たくさんたくさん、幸せをもらった。
感情を教えてくれた。
生きる意味を、与えてくれた。
今度は、私の番だ。
「もう、離してやらねぇから。一生俺の隣にいろ」
私の頬に手を添え、愛おしそうにそう言ってくれた叶くんに、
満面の笑みを向ける。
そして、ゆっくり、深く頷いた。
「約束っ……!」
今度は私が、君を幸せにする。
笑顔にする。
私の人生を……華やかにしてくれた君に、感謝を伝えていく。
愛を伝えていく。
一生をかけて、ゆっくり伝えていこう。
「愛してる」
そう言って優しい微笑みを向けてくれる、
―――誰よりも愛しい、君の隣で。
―FIN―


