家族がいて、仲間がいて、学校に行けるのも、全部幸せだと思う。
「じゃあ、もう行くね」
「ガッコ頑張ってねぇ」
「ありがとう瑠希くん」
私はみんなに大きく手を振って、倉庫を後にした。
狭い歩道を歩いていると、ふと隣にある病院に目がいった。
窓からそのを覗いている女の子は、寂しげな瞳をしている。
なんでだろう……こんなに懐かしいと思うのは。
桜がひらひらと舞って、私の手のひらに落ちた。
……もう、桜もなくなってしまう。
サァーッ……と吹いた肌寒い風に、少し寂しくなった。
まだ学校が始まるまで時間があるし……何か食べて行こーっと♪
近くのコンビニに足を運び、カツサンドを手に取った。
私の大好物。それはカツサンドだ。
なんでって言われると、それもまた難しいけど……。
レジに持って行き、お金を払ってから目の前にあるベンチに腰を下ろす。
ふぅっ……いただきます。
カツサンドを袋から出し、1口ガブッとかぶりつく。
ん〜っ……美味しぃっ……!
このカツサンド、何年も昔からある、大人気商品らしい。
とある美男子と美少女がよく買いに来てただとか。
2人とも病気で亡くなっちゃったらしいんだけどね。
2人とも……幸せになってるかなぁ、報われてるといいなぁ……。