「ったく,なんで少し目を離しただけでこうなるのか,はぁ,ほんっとに理解できないんだけど。なに笹原さんも謝ってんの? 必要無さすぎて勿体無い」
走ってきたらしい今田くんは,1人椅子に座る私の腕を引くと,ふわっと抱き締めた。
え……
「ちょっ椛くん!?」
「あのさ,気安く呼ばないでくれる? あんたらこそ僕のなんな訳?」
「なっ」
ざわめく教室。
面白そうに眺める(今田くんは否定するだろうけど)今田くんの友達。
ドア付近にもケタケタ笑う男子がいて,彼が呼んできてくれたのだと知った。
「あと,本気で不愉快な言葉が聞こえたから言うけど,外見も中身も未初は世界一可愛いから。あんたらなんかが汚さないでくれる? 僕の未初いじめたら許さないから」
可愛い? 世界一? 未初? 僕の?
今田くんの言葉と匂いと温もりで,頭がぐちゃぐちゃだ。
『毒舌な君の,ひどく甘い素顔』より
走ってきたらしい今田くんは,1人椅子に座る私の腕を引くと,ふわっと抱き締めた。
え……
「ちょっ椛くん!?」
「あのさ,気安く呼ばないでくれる? あんたらこそ僕のなんな訳?」
「なっ」
ざわめく教室。
面白そうに眺める(今田くんは否定するだろうけど)今田くんの友達。
ドア付近にもケタケタ笑う男子がいて,彼が呼んできてくれたのだと知った。
「あと,本気で不愉快な言葉が聞こえたから言うけど,外見も中身も未初は世界一可愛いから。あんたらなんかが汚さないでくれる? 僕の未初いじめたら許さないから」
可愛い? 世界一? 未初? 僕の?
今田くんの言葉と匂いと温もりで,頭がぐちゃぐちゃだ。
『毒舌な君の,ひどく甘い素顔』より



