君は、ちょっとずるいと思う。
君は俺が外で少しでも触れると
「次外でこんなことしたら即別れるから」
すぐに怒る。
でも、実は良く見ると首筋が赤かったりもする。
そして、二人きりなら許されるのだと気付いたのは半年前。
要するに、ツンデレなのだ。
さて、何がずるいと思うのかと言うと……
「ねぇ」
おっと……
「なに?」
「今日、何で遅かったの?」
ちょっと拗ねた声。
あんまり知らせたくはないのに、知ってるみたい。
「別に良いけど……どうせ告白されてたんでしょ」
答える前に放たれた言葉。
独占欲?嫉妬?寂しかった?
とにかく可愛い。
そして続く言葉はもっと高い破壊力。
「いくら可愛い子でも……勝手に離れていったら怒るからね……」
顔を真っ赤にして、それでも俺に訴える君。
本当に貴重な一瞬。
ツンデレな君の、ずるすぎる一瞬のデレ。
「……君だけだよ」
俺は小さな君の体を、全身でぎゅっと抱き締めた。