『君は生クリームよりも甘い』


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「お、おぉぉぉお!」

わざわざ電車を2駅乗ってまでして来たカフェ。

机の上にはとても可愛らしいパフェがある。

それを大きな口でパクり。

私は感動にうちひしがれた。

「付いてるよ」

そう言って私の口を親指で拭うなんていう,少女漫画のヒーロー顔負けの事をするのは,幼なじみである。

そして,彼は私の,現在進行形の初恋の相手でもあった。

どうも彼は幼いまんまの感覚でいるようで,私はいつもどぎまぎさせられる。

「いくつになっても可愛いね」

くすくすと柔らかく笑う彼に,私は糖分の過剰摂取による死を覚悟し,このときの私は,子供扱い,またはからかわれたと思ってしまった。

「本当に……そんな君が,ずっと……好きだよ」

「っ!? ふぇぇ!?」

そんな私が,彼の言動やその瞳に,特別な色が宿っていたことを知るまで,あと数秒。