誰もいない公園,去年のこの日を思い出す。
バカだなとは思うけど,祝日で,ご丁寧に名前のついた日だったから忘れられなかった。
私はこの日,幼馴染みだった彼に少しの期待をもって『すき』を伝えた。
玉砕して,今では話すことも叶わない。
想いを告げた自分の間違いに気付いた私は,小さい頃の想い出の詰まったこの公園にきた。
記憶の中の彼と作った小さな雪だるまを再現して,出来上がって,隣に彼がいない事実に胸が痛んだ。
(明日になったらこの子も溶けて,私の涙はきっと隠してくれる)
それでこの恋を終えようと。
誓った。
なのに,私はまたここにきて雪だるまを作っている。
あの子が溶けてなったのは,液体ではなかった。
私の中で,今も記憶と後悔として残っている。
「ねぇ,何してるの? 俺,あんたの事探してて…祝日で良かった。俺,一年のうち一回の日なんて覚えてらんねぇもん」
いや,まず誰?
-雪が溶けたら春が来る。