「ふっ…」
リアルでこんなことが起きるなんて思ってもいなかった。
目の前に広がる花束に綺麗なイルミネーション。
そして困った顔で笑う先輩。
期待しなかったわけではない,何せこんな日だ。
でも相手は調子ばかりいい先輩。
心を鎮めて,何でもない様に振る舞おうとしてたのに。
サプライズに涙がボロボロ溢れる。
ロマンチックな演出に周りも目を輝かせた。
先輩にぎゅっと抱き締められる。
「もっかいだけいうね。俺と…付き合って…」
「~っはい!」
私に出来うる最大の笑顔。
するとずっと光っていた視界が暗くなって……
「っもうっ」
私は先輩に抱き付くことで応える。
まだ早いとか周りの人とか関係ない。
幸せからかイルミネーションのせいなのか,目の前はキラキラキラキラしている。
夢と希望のつまった魔法の日。
今年は私にも魔法がかかったみたい。
「ごめんね。可愛くて」
調子のいい先輩はチロっと舌を出して見せた。