体育祭。
運動神経抜群で,彼女の有無関係なしにモテまくる,先輩もとい私の彼氏。
ともくれば……
「「キャー頑張ってぇ~!!そしてあわよくば私のところに来てください!!」」
私の応援は届きそうもない。
来て,というのは多分,今行われている借り物競争にたいしてだろう。
1人むなしくため息をつくと,心なしか先輩がこちらに走って来ているのが見えた。
「ちょっといい?」
心なしか,ではなく,先輩はばっちり私の元へ一直線にやって来た。
「あーやっぱり彼女かぁ~」
落胆した声が聞こえる。
「ハンカチ貸してくれる?」
私は少し緊張しながら,角に黒猫が一匹刺繍された,桃色のハンカチを渡す。
「きゃっ」
先輩はハンカチごと私のてを引くと,私の耳元に顔を寄せ
「今日は帰りにデートしようね」
と囁いた。
「ハンカチありがと」
先輩は去っていく。
耳をおさえ顔を赤くする私。
先輩のそうゆうとこ……ズルいと思います。