「りゅ、せいっ……く、んっ……?」
今、思い出した。
幼い頃、毎日のように遊んでいた、大切な人。
その人の名前は、リュウセイといった。
私はその笑顔が大好きで、リュウセイくんが大好きで、多分自分でも気づかないうちに……。
―――恋してた。
だから無意識に、リュウセイくんに似ている本の王子様を見つけた時、目を……離せなかったんだ。
「あの時のっ……リュウセイくんなのっ……?」
「っ……」
天王院さんの顔は見えないけど、息を飲むのが分かる。
ねぇっ……答えてっ……。
私、謝りたいっ……あの時のこと、嬉しかったって。
酷いこと言ってごめんねって。
「……黙ってて、ごめん」
「っ……!!」
本当に、リュウセイくんなんだっ……。
私は天王院さんをぎゅっと抱きしめて、離れて行かないように、閉じ込めるように、リュウセイくんだって確かめるように……ぎゅって、力強く、抱き締めた。
「天王院さんが、リュウセイくんなのっ……?」
「あぁ」
正直に、本当に嬉しかった。
天王院さんが、リュウセイくんだってこと。
私は天王院さんに少しずつ惹かれていて、でも心のどこかにきっとまだリュウセイくんがいて。


