「えへへっ……」
昔から、支度は早かった!
荷物は多いんだけどね。
例えば、お弁当は予備を持って行って、お弁当忘れちゃった男の子にあげたら、そこから恋が始まる!
「結愛……めちゃくちゃ可愛い美少女なのに、変装してるから可愛さ隠れちゃってるんだよねぇ」
学校に行こうと2人並んで歩き出す。
いつもより少し早めにね。
そんな美瑠ちゃんのお世辞には引っかからない。
可愛いだなんて滅相もない。
私ごときが可愛かったら、世界中のみんな可愛いってことになるよ。
それに、私はどちらかというとブスというものに分類される気が……。
「メガネかけただけで可愛さ隠れるって、それ、元も可愛くないからだよ」
「こんのぉっ……自覚なしっ!」
私の頬をぶにぶにしてくる美瑠ちゃんに、私は変な顔をしてみせる。
そしたらお腹を抱えて笑い出す美瑠ちゃん。
可愛い子は、メガネかけてもすっごく似合うもん!
まぁ……このメガネは少し特殊なんだけどね……あはは。
このメガネ、かけると目が小さく見える特殊なメガネなんだぁ。
元から視力はいいからダテメガネ。
叔母さんがどうしても変装して欲しいと泣いて願ってきたから、仕方なく。