唐突にそんなことを思い出し、彼に目を向ける。
すると、彼は目を丸くしてから可笑しそうに笑った。
「姫宮さん、俺のこと知らない?w」
「え、あ……ゆ、有名だということは風の噂でっ……」
人の名前覚えてないとか、失礼だよねっ……。
「そっかそっか。なんか新鮮だなぁ。じゃあ、俺は月皇聖那(ツキガミ セナ)。姫宮さんの隣のクラスだよ。これからよろしく」
「月皇さんですね、よろしくお願いします!」
ニッコリと月皇さんに笑顔を向ける。
これは、お友達になれたって思ってもいいのかな。
『LINE交換しよ〜』とすんなり交換されてしまったので、この人も軽い人なんじゃないかと一瞬だけ疑ってしまった。
「聖那でいいよ。俺も結愛ちゃんって呼ぶね」
「は、はいっ! 聖那さん!」
男子を下の名前で……なんか緊張するっ……。
職員室につき、荷物を先生に受け渡して、私達は教室へと戻る。
「聖那さん、本当にありがとうございましたっ……」
「ははっ、うん。なんかあったら、またいつでも言ってね」
「だったら聖那さんも、なにかあったら言ってください!
今度は私が助けます!」
両手で拳を握って、はにかんで笑って見せた。
そしたら聖那さんは、驚いたように瞬いて、同じように笑った。
うわぁ……綺麗な笑顔……。


