やっぱり琴音ちゃんは琴音ちゃんだ。

マイペースで、ときどきバッサリ切り捨てるところもあるけれど、そんな琴音ちゃんのことが私は好きだ。


……唯斗くんと春馬くんとの同居生活まであと2日。

あのときの春原さんの言葉からして、私は2人の家政婦的存在になる。

そうなってしまったら、食事、洗濯、掃除……。

他にもいろいろやることが増える。

私ひとり分ではなく、3人分の生活を守っていかなきゃいけないんだから。


そんな生活を送れば、琴音ちゃんとの時間も経るだろう。

こうして放課後、ファストフード店やファミレスに行くこともなくなる。

それは少し寂しいかも。



「……そろそろお店出ようか」

「うん、そうだね」



琴音ちゃんの言葉で私たちはファストフード店をあとにした。


外に出れば、すっかり日が暮れていて。

あたりは薄暗くなっていた。

秋の風が頬に触れる。

温かいような冷たいような、複雑な空気。