そんな感じの他愛もない会話をしながら歩いていると、いつの間にか唯斗くんのマンションについていた。

相変わらず大きなマンション。

最上階を見上げるだけで首が痛くなる。

……私のおんぼろアパートとは大違いだ。


唯斗くんがマンションの自動ドアを潜り抜けていく。

私と春馬くんもそのあとに続く。

カウンターの受付嬢が笑顔で迎え入れてくれる。


……春馬くんを。


唯斗くんと春馬くんには素敵な笑顔を向けているのに、私を目に捕らえた瞬間『誰、この女』って顔をしている。

ただの幼なじみですよ。

歓迎されていないことにも、少しショックだ。

まあ、受付嬢のお姉さんと関わることはないから、まあいいいか。


私は唯春馬くんと並んで、唯斗くんについていく。

唯斗くんはエレベーターのボタンをポチッと押した。