幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

「美羽ちゃんっ。唯斗!」



春馬くんの声が数メートル先から聞こえる。

繋がれている手から、春馬くんの声がするほうへと視線を移す。

春馬くんの姿をしっかりと、視界にとらえた瞬間。

春馬くんの表情は悪魔の表情へと変わった。

そして、こちらへ向かってくるスピードが上がって。

私の肩をガシッとつかんだ。



「美羽ちゃんっ。唯斗に襲われたの? 無理矢理?」

「え? 違うよ?」

「じゃあ、美羽ちゃんから手を繋いだってこと?」

「それもちがうよ」



春馬くんは少しムキになっている様子。

なんでそんなムキになっているのかは分からないけど。

私と唯斗くんはただの幼なじみなのに。

春馬くんももちろん、幼なじみ。



「唯斗」



春馬くんが唯斗くんに視線を移す。

唯斗くんも春馬くんに視線を向ける。


春馬くんが唯斗くんになにを言いたいのか、私には分からない。

だけど、真顔になった唯斗くんは察しているようで。

さすが双子だなぁ、って思った。