幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

一瞬でもドキッとしたのは、私の勘違い。

車に引かれそうになったから、ドキッとしたのかもしれない。

そういうことにしておこう。


だって、相手はあの唯斗くんだよ?

意地悪ばかり言うし、すぐ不機嫌になるし。

他の女の子にチヤホヤされれば、良い顔する、人気アイドルの唯斗くんだよ?

そんな幼なじみに、トキメクとか、そんな少女漫画的展開はありえない。



「美羽」

「なに?」



顔を上げれば、唯斗くんが少し頬を染めたまま私を見下ろしていた。


……やっぱり身長高いなぁ。

顔だってよく見れば、整っているし。

よく見なくても、唯斗くんがイケメンの部類に入ることは嫌でも分かります。



「……いつまで抱きついてんだ」

「ふえっ?」



唯斗くんに指摘されてから約3秒。

私は今の状態を理解した。


顔だけじゃない。

全身の温度が一瞬にして急上昇する。