幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

唯斗くんは眠そうなあくびをしてから、私に視線を向けた。



「ひみつ」

「……はい?」

「だから、ひみつ」



いたずらっ子みたいに舌を出す唯斗くん。

その姿に、可愛いと思った自分を殴りたい。

唯斗くんが可愛いなんて、ありえない。

……でも、可愛いと思ってしまったのは事実なんだよな。



「美羽が真相を知るにはまだ早いな」

「真相ってなに」



意味が分からない、って顔をする私。

本当に意味が分からないんだもん。


『答え教えてよ』と、唯斗くんを見上げながら歩いていると、突然腕を引っ張られた。

すっぽり、唯斗くんの胸の中に体がおさまる。

ドキッと鳴る心臓。

って、私、なにドキドキしているんだ。



「……危ねぇな」



唯斗くんの言葉にハッとする私。

少し顔を向ければ、遠くのほうに向かって車が走っていた。


細い路地。

車道側を歩いていた私。

今、あの車とぶつかりそうだった私を守ってくれたのかな。