幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

「有村さん」



南條くんが爽やかな笑顔で名前を呼ぶ。

唯斗くんから視線を移す私。

南條くんは鞄を持って立ち上がっていた。

帰るところなのかな。

それなら、私も一緒に――。



「俺、部活あるから先に行くね。また明日」

「えっ? あ、うん。……また明日」



と、爽やかな風を残して教室を出ていく南條くん。


って、部活があるのかぁ。

てっきり、ミーティングがあったから帰るのかと思っていた。


私は南條くんが出ていったドアを、ぼーっと眺める。


ああ、ついていない。

せっかく『一緒に帰ろう』と、誘えるチャンスだったのに。