「あ、あけるよ?」

「うん」



私はハサミで封筒の端を切っていく。

手が震える。

これで落ちていたら、と思うと怖すぎる。


最後まで切り終え、ハサミを机の上に置く。

この中に結果が入っているんだよね……。

私は震える手で、中の書類を取り出した。



「……」

「……」

「……」



私は書類の内容を目にすると、体を硬直させた。

脈が速くなる。

書類を持つ手が震える。



「ど、どうだったのよ……、」



無言の私に琴音ちゃんの声が不安に変わる。

私はロボットのようにゆっくりと琴音ちゃんに視線を向けた。

お互い、ゴクリ、と息をのんだのが分かった。



「こ、琴音ちゃん……、」

「……うん」

「う、受かった……」



声に出した瞬間、琴音ちゃんが私に思いきり抱きついた。



「良かった! いやっ、私は絶対合格すると思っていたけど!」



琴音ちゃんはそう言ってくれるけど。

私の首筋に温かい滴が伝わった。


琴音ちゃん……。

私のために泣いてくれているんだ。

喜んでくれて、涙まで流してくれて。

私は温かい気持ちに包まれた。



「琴音ちゃん、ありがとう」

「なに言っているのさ! 本番はこれからよ!」