幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

「唯斗くん自身がシュートを決めたんだよ」



唯斗くんが部長として想い描く姿があるから。

唯斗くんがバスケ部の一員として目指す場所があるから。

そのために、唯斗くん自身が輝きたいと思ったから。

唯斗くんは走り出したんだ。



「唯斗くんは、立派なバスケ部部長だよ」



私はそう思う。

笑顔を唯斗くんに向ける。

唯斗くんなら大丈夫。

だって、南條くんのことをよく見ていた。

南條くんだけじゃない。

きっと他の部員のこともよく見ている。

それを伝えていけばいい。


誰よりも、部員たちのことを見ている唯斗くん。

気にかけて、フォローして、褒めることも出来る。

そして時には厳しく。

今日はそんな唯斗くんの姿を見ることが出来た。

だから、唯斗くんはもう、立派な部長なんだよ。



「……ありがとな」



唯斗くんが笑顔を向ける。

それは心からの笑顔だと思った。

こんなに清々しく笑う唯斗くんは久しぶりに見た。

その姿は“ひとりの男の子”って感じがした。

満足した私は、唯斗くんの頭を撫でていた手を降ろす。