幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

私は苦笑いをしながら、



「バスケ部の見学」



と、返す。

私たちの間に沈黙が続く。

『お邪魔します』と、小さく呟いて体育館内に入る。

足音が響く。



「私のことは構わず、練習続けていていいよ」



そういう私に、南條くんは首を横に振った。

ボールを抱えたまま、立ちっぱなしの南條くん。

どうしたんだろう、と思いながらも私は体育館の隅に移動する。

体育館の隅まで行くと、肩にかけていた鞄を床に置く。


うーん。

荷物はとりあえず置かせてもらってけれど、どこで朝練の見学をしようかなぁ。

ここに居たら、変に目立つだろうし。


悩んでいる私は、南條くんが近寄ってきたことに気が付かなかった。



「有村さん」

「っ⁉ 南條くん⁉」

気付けば私の隣に南條くんが立っていた。

驚きで目を丸くする私。

心臓がびっくりして嫌な音を立てているよ。