幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

「美羽は怖がっているだけじゃないの?」



琴音ちゃんの言葉がグサリと胸に刺さった。



「私知っているよ? 美羽が歌ったり踊ったりしているときの楽しそうな顔」

「……」

「前、動画送ってくれたことあったでしょ? 見て、って嬉しそうに」



琴音ちゃんに送った動画……。

私がひとりで近場のスタジオを借りて、ダンスを踊ったときの動画。

まだ唯斗くんたちと同居する前の話。


アパートでダンス動画を取ることは出来ないから、スタジオを予約して動画を撮ったんだっけ。

その頃、好きなアイドルグループの曲をいつも口ずさんでいた。

お気に入りの曲だったから、すぐに歌詞も覚えた。

時間を見つけてはMVを見てダンスを頭に入れたりもした。

アパートで音を立てないようにひっそりと踊って。

それでもまだ物足りなくて、スタジオを予約して動画を撮った。


それから、どんどん欲が出てきて。

誰かに見て欲しい、って思ったから琴音ちゃんに動画を送ったんだ。

歌うことも、踊ることも、誰かに見てもらうことも。

それは私にとっての幸せだ。