幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

「それだけです。じゃあ、練習戻るんで」

「……」

「有村さん、あとで教室でね?」

「あ、うん!」



そう言って、南條くんは倉庫の方へと走って行った。

取り残される私と唯斗くん。

っていうか、唯斗くんも準備しなさいよ。

朝練、これから始まるんでしょ?



「……本当に付き合ったのか?」



唯斗くんが静かな声で尋ねる。

穏やかではないけど、怒ってもいない声。

だから私も。



「付き合うことになった」



と、小さくつぶやいた。



「そうか」



それだけ言って唯斗くんも倉庫へ向かって歩き出した。

その後姿を眺める私。


……あれ?

なんだか心が痛い。

胸がチクってする。

なんだろう、この感覚。

苦しいっていうよりか、モヤっとする感じ。


……変な感情。

そんなことを思いながら、私は体育館をあとにした。