でも、それだけだった。
その翌日に熱を出して、昔をなぞるような行動をしていても、俺を思い出すわけではなかった。
だけど、俺は一緒にいられるだけで幸せだったから、何も言わなかった。
そして、たいして行動も起こせないまま、綾音はあの人に……
先にファーストキスを奪っておいてよかったなんて、最低なことを思ったりも、した。
綾音を見ながら、ここに来てからの事を思い出していると、ふいに綾音が気を失ったかの様に倒れた。
辺りに、綾音がベンチに頭を打ち付けた音が響く。
「綾音!!」
その翌日に熱を出して、昔をなぞるような行動をしていても、俺を思い出すわけではなかった。
だけど、俺は一緒にいられるだけで幸せだったから、何も言わなかった。
そして、たいして行動も起こせないまま、綾音はあの人に……
先にファーストキスを奪っておいてよかったなんて、最低なことを思ったりも、した。
綾音を見ながら、ここに来てからの事を思い出していると、ふいに綾音が気を失ったかの様に倒れた。
辺りに、綾音がベンチに頭を打ち付けた音が響く。
「綾音!!」



