キャラメル頭の君と、1ヶ月の同居ラブ。

でも、それだけだった。     

              
その翌日に熱を出して、昔をなぞるような行動をしていても、俺を思い出すわけではなかった。


だけど、俺は一緒にいられるだけで幸せだったから、何も言わなかった。    
             
 
そして、たいして行動も起こせないまま、綾音はあの人に……


先にファーストキスを奪っておいてよかったなんて、最低なことを思ったりも、した。


綾音を見ながら、ここに来てからの事を思い出していると、ふいに綾音が気を失ったかの様に倒れた。     


辺りに、綾音がベンチに頭を打ち付けた音が響く。


「綾音!!」