キャラメル頭の君と、1ヶ月の同居ラブ。

        蒼side

「綾音……早すぎるだろ」     
               
               
綾音を追いかけるのはこれで2回目。  
                   
               
男子のなかでも結構早い方なのに、一向に追い付ける気がしない。


今さっき。           
              
              
俺は転校してきて最初に仲良くなった小島の家に、借りたものを返しに行ったあと、いつもと違う道を通って帰っていた。   
             
               
綾音の家に帰るために角を曲がろうとした時。


ビュッと、飛んでもない勢いでなにかが俺の前を通り、俺の頬には何か生暖かい水滴のようなものがついた。


「なんだ?」