いつもと違う場所、私の家に、小さな私が寝ている。


「綾音~? お母さん会社行かなきゃいけないの。お父さんもお母さんも、今日はどうしても抜けられないの」       
                 
                
あれは……お母さん?     
               
                 
今よりふた回りほど若い。    
                 
               
「だいじょうぶ」       
                
「なにかあったら……ううん。何もなくても、寂しくなったりしたら蒼ちゃんの家に入れて貰いなさい。今日は蒼ちゃんと遊ぶ約束もしてたんでしょう? あそこの家族ならきっと入れてくださるから」      
              
                
蒼ちゃん? 蒼の事? やっぱりこれは、ホントにあったこと。   
                 
                
そして、少し考えれば分かったこと。