そっか、梨奈さんは、本当に蒼の事を知りたいだけなんだ……一途に蒼の事だけを……  
                  
                  
なんだかモヤッとする。      
                
                
でも、まっすぐな梨奈さんの目を見て、この人にならと蒼との事を説明する。    
               
                
「そっか……同居。いいな、でも私のうちは親がいて呼べないし」
               
             
そう言う梨奈さんは、本当に悲しそうな顔をしている。            
             
           
無神経だったかな。       
             
             
好きな人が、自分じゃない女子の家で暮らしてるなんて……


「じゃあ島崎さんは完全に私のライバルだね」            
             
                 
「え?」


「言っとくけど、私がこう言うのは蒼くんと一緒に暮らしてるからってだけじゃないよ。気付いてないとは言わせない。2人は学校でほとんど話さないけど……蒼くん、転校してきたときに同い年なら名前で呼んでも普通って言ってたのに、女子で名前呼びするの島崎さんだけだもん。だからっ島崎さんは蒼の事どう思ってるの!?」