「怒ってるじゃん!俺、先輩の変化には敏感だよ。先輩のことちゃんと見てるから!」
「ふーん。蒼空くんが私のことを見ても見てなくても、どうでもいいけどね」
「そうなんだ!先輩のこと見てるだなんて口が滑っちゃって焦ったけど、気持ち悪いって思われてないんだ。良かった〜」
それは私を見るのが蒼空くんだから。
私が蒼空くんのことを気持ち悪いなんて思うはずがない。
むしろ、蒼空くんの言葉で簡単に機嫌が直ってしまった。
可愛い後輩くんが私のことを大好きで、私の変化に敏感だなんて言われたら誰でも嬉しくなっちゃうに決まってるのに。
よくわからないモヤモヤが、一瞬で吹き飛ばされてしまうほどの威力。
さすが蒼空くん。無邪気さ、可愛さ、ポジティブさで私を癒してくれる。
たぶん、蒼空くんの身体からはアニマルセラピー的ななにかが放出されてるんだと前から推察しているところ。



