「変ってしませんよ!! それでなんのようだったんですか?」



「いやぁね。2人が結婚したら、若菜 怜香になるのか、七海 楓になるのかどっちかなぁと思って。聞いてみればいいかと思ってかけたんだよ」



なんて理由でかけてくるんだこの人は……



相手が誰なのかも忘れてなにも言わずに切る。



ママさんのにやついた顔が易々と目に浮かび、俺は思わず空いた手で顔を覆った。



「お母さん? 何だって?」



言えるわけがないあんなこと。



ついでに今まで考えたこともなかったけど、一瞬、ホントに一瞬だけ、どっちでもいいなと考えてしまったことも内緒だ。



「あっ」



と、ママさんついでにあることを思い出す。



眉が寄ってしまったみたいで、怜香は少しびくついた様子を見せる。