お見舞いに持ってきたリンゴと、ちょっとしたお菓子を、僕はお父さんから受け取り、お母さんにわたした。
お母さんはそれを見ると、当たり前のように、隣の女の子に話しかけた。
「怜香ちゃんも一緒に食べる~?」
「いいんですか?」
怜香と呼ばれた彼女は、お母さんを……というより、彼女から見て、母の奥にいた僕を見て尋ねた。
僕が気にしていたのに気づいていたんだろう。
自然にでた、彼女の丁寧な物言いに驚き、やっぱり年上かな? なんてドギマギしながら、僕は小さく頷いた。
本音を言えば、僕は彼女と話すきっかけができて嬉しかった。
「僕はチョコレートが好きだけど、どれがいい?」
僕がお母さんにわたした袋を覗きながら聞くと、彼女は顔を綻ばせながら言った。「私はガムが好きなの。この間ようやく膨らませるようになったから。でも、オススメのチョコレートを1つくれる?」
急にラフな言葉遣いに変わったことに驚き、同時に、初めて見た彼女の笑顔から目を離せずにいると、隣でお母さんが笑ったのがわかった。
「早く渡してあげなさい? 怜香ちゃん困ってるじゃない。自己紹介もしたらいいわ」
お母さんは僕を見ながらそう言った。
僕は、可愛い子を前に緊張してるのがバレ、少し恥ずかしかった。
そして、慌てて彼女の前に行くと、チョコレートを渡し、お母さんに言われた通り、自己紹介をした。
「はい、どうぞ……僕の名前は、若菜 楓」
フルネームだと、女の子みたいだと言われるから、言いたくなかったけど、彼女は
「いい名前だね」
と、逆に誉めてくれた。
僕が彼女の自己紹介を待っていると、彼女は、首を傾げて、
「あっ」
と、声を上げ、慌てて話し始めた。
お母さんはそれを見ると、当たり前のように、隣の女の子に話しかけた。
「怜香ちゃんも一緒に食べる~?」
「いいんですか?」
怜香と呼ばれた彼女は、お母さんを……というより、彼女から見て、母の奥にいた僕を見て尋ねた。
僕が気にしていたのに気づいていたんだろう。
自然にでた、彼女の丁寧な物言いに驚き、やっぱり年上かな? なんてドギマギしながら、僕は小さく頷いた。
本音を言えば、僕は彼女と話すきっかけができて嬉しかった。
「僕はチョコレートが好きだけど、どれがいい?」
僕がお母さんにわたした袋を覗きながら聞くと、彼女は顔を綻ばせながら言った。「私はガムが好きなの。この間ようやく膨らませるようになったから。でも、オススメのチョコレートを1つくれる?」
急にラフな言葉遣いに変わったことに驚き、同時に、初めて見た彼女の笑顔から目を離せずにいると、隣でお母さんが笑ったのがわかった。
「早く渡してあげなさい? 怜香ちゃん困ってるじゃない。自己紹介もしたらいいわ」
お母さんは僕を見ながらそう言った。
僕は、可愛い子を前に緊張してるのがバレ、少し恥ずかしかった。
そして、慌てて彼女の前に行くと、チョコレートを渡し、お母さんに言われた通り、自己紹介をした。
「はい、どうぞ……僕の名前は、若菜 楓」
フルネームだと、女の子みたいだと言われるから、言いたくなかったけど、彼女は
「いい名前だね」
と、逆に誉めてくれた。
僕が彼女の自己紹介を待っていると、彼女は、首を傾げて、
「あっ」
と、声を上げ、慌てて話し始めた。



