お母さんの病室は、奥から二番目のところにあった。



ドアを開けると、ガラガラと音がして、なんだか面白く思った。



「おかぁさ……ん」



目をキョロキョロとさせると、お母さんはすぐに見つかった。



でも、お母さんの隣のベッドに、女の子が居るのを見つけて、おもむろに声のトーンを落とした。



さっき立てた誓いを、思い出したからだ。



女の子は、どこか落ち着いた雰囲気を纏っていた。



それに僕の周りの子の、数倍……
可愛かった。



同い年かな? 僕は思った。



元々人見知りの僕に、話しかける勇気などなく、ちらっとその子を見てから、お母さんに近寄った。